中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

甲陽中2023年(面積ー★★★★★☆)

甲陽学院中学 2023年度 第一日】

~解説~

図形の問題なのに図が描かれていません。

まずは問題文から、おおよその図を描くところから始めないといけませんね。

     

図自体は最難関校としてはシンプルな方ですが、条件が特殊で、相似や面積比の基本解法で攻めてみてもどうにもなりません。

ひらめきの必要な難問です。

「面積が等しい」という条件から、「等積変形」を思い出せるかがポイントです。

まずは、等積変形の基本を確認しておきましょう。

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上図の様に、直線と直線mが平行であるとき、△ABCと△ABDは面積が等しくなります。

底辺ABの長さが同じなのはもちろんのこと、とmが平行なら高さも同じになるからですね。

これを発展させると、△ACEと△BDEの面積も等しいということが分かります。

 

本問はこれの応用で、△PHE=△PGFから、直線HGと直線EFが平行であることになります。

 

     

HGとEFが平行なので、△DHGと△BFEは相似になります。

DH=12cm、BF=18cmから、その相似比は12:18=2:3。

よって、DG=②cm、BE=③cmと表せますね。

四角形ABCDは長方形なのでAB=DCです。

つまり、3cm+③cm=②cm+7cmなので、①=4cmと求められます。

よって、DG=②=8cm

 

     

△DHGと△BEFは2:3の相似なので、HG:FE=2:3。

また、HGとFEが平行なので、△HGPと△FEPも相似になります。

この相似比も2:3なので、HP:FP=2:3。

△HPEと△FPEは等高三角形なので、面積比=底辺比。

よって、△HPE:△FPE=2:3=90:▢。

△FPE=90㎤÷2×3=135㎤。

 

また、△EBF=12cm×18cm÷2=108㎤。

 

以上から、四角形EBFH=108㎤+135㎤+90㎤=333㎤。

 

ここで、△BFH=18cm×(3cm+12cm)÷2=135㎤なので、

△EBH=333㎤ー135㎤=198㎤。

△EBH=EB×AH÷2でもあるので、

AH=198㎤×2÷12cm=33cm。

よって、四角形ABCD=(3cm+12cm)×(33cm+12cm)=675㎤

 

 

重要度【★★☆☆☆☆】

難易度【★★★★★☆】