中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

灘中2019年(面積比ー★★★★★☆)

【灘中学 2019年度 1日目】

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~概要~

2019年の灘中の算数は史上最高レベルの難しさでした。

特に1日目は、合格者平均点が50点/100点満点という最狂レベルです。

本問は、解けないと合格できないという正解必須問題ではありませんが、手が出せない、捨てるべき問題とまではいきません。合否を分ける問題にもなり得るでしょう。

 

~解説~

 

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まずは与えられた条件を図の中に書き込みましょう。
問われているのは△CAPの面積ですが、三角形の面積の公式(底辺×高さ÷2)を使って求めるのはどう見ても不可能ですね。「辺の長さが2倍」という条件からも、『面積比』で解くということはすぐに分るでしょう。

ところが、面積比の基本である「相似な三角形」も「等高三角形」も見当たらないのがこの問題のやや難しいところですね。

 

そこで、まずは「∠APB=120°」という意味深な条件について考えてみましょう。

ここから分かることは、三角形の内角の和が180°であることから

∠PAB+∠PBA=60°

ということですね。ここで、

「△ABCが正三角形」⇒「∠BAC=60°、∠ABC=60°」

が活きてきます。つまり、適当に、

∠PAB=✖°、∠PBA=〇°

とおいておくと、

∠PAC=〇°、∠PBC=✖°

になりますね。

            

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 次は「PB=2×PA」についてですね。

ここからは少しひらめきが必要になってきますが、(同じ長さの辺を作るために)PBの中点Qを取ってみましょう。

 

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 すると、△CAPと合同である△ABQが発見できますね。

よって、△CAP=<1>㎠とおくと、△ABQ=<1>㎠となります。

また、△ABQと△AQPはBPを底辺とみると等高三角形なので、その面積比は底辺の長さ比と同じになりますね。よって、△AQP=<1>㎠となります。

 

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 同様に、△ABPと△BCQも合同です。

よって、△ABP=<2>㎠なので、△BCQ=<2>㎠となります。

また、△BCQと△QCPも等高三角形なので△QCP=<2>㎠となります。

 

以上から、

△ABC=<7>㎠=1㎠

となるので、

△CAP=<1>㎠=1/7

 

重要度【★★★☆☆☆】

難易度【★★★★★☆】

 

 

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