神戸女学院中2019年(水問題ー★★★☆☆☆)
【神戸女学院中学 2019年度】
~解説~
水問題は、真正面から見た図を描いて考えるのが基本です。
本問では、図1の見た目から㋐の壁と㋑の壁の高さの関係が分かるようにもしてくれていますが、グラフから理論的に判断できるのが理想です。(㋑より㋐の方が高いときは、図2のグラフがどうなるはずかを考えてみましょう。)
この水槽に、Qの部分に水を入れていくと、水がたまるのは「青⇒黄⇒緑⇒赤⇒茶」の順番ですね。このことを押さえておいてグラフについて考えましょう。
図2に関して、①秒はRの部分に水が入り始めた時間です。
②秒は高さが50cmになった時間なので水槽が満杯になった時間と分かります。
450秒ではグラフが折れ曲がっている(グラフが折れ曲がるところでは必ず何かしらのイベントが発生しています)ので、「赤」に水がたまった時間と分かります。
つまり、0秒~①秒の間で「青」「黄」「緑」に、①~450秒の間で「赤」に、450~②秒の間で「茶」に水がたまったということですね。
図3は少し読み取り辛いですね。
150秒はPに水が入り始めた時間なので、0~150秒で赤に水がたまったことはすぐに分ります。
また、210秒は排水口が開いた時間、402秒は排水口が閉じられた時間なので、これらでグラフが折れ曲がっているのは当然です。
では、水槽の話は一体どうなっているのでしょうか。ポイントは、402~537秒の、グラフが水平になっているところです。Pの水面が変わらないのは、水が「赤」の部分にたまっていっている時間しかありませんね。つまり、402秒で「緑」まで水がたまったということです。また、「黄」に水がたまって「緑」に水が入り始める瞬間は底面積が変わるので必ずグラフが折れ曲がるはずです。しかし、210秒以外に折れ曲がっているところはありません。ということは、210秒が「黄」に水がたまった瞬間だったということです。
まとめると、210秒のときに「黄」に水がたまり、それと同時に排水口を開け、402秒の時に「緑」に水がたまり、それと同時に排水口を閉じたというのがこの問題のストーリーです。
ここまで読み取れれば、あとは水問題の基本問題です。図に、水をためるのにかかった時間を書き込んでいきましょう。
「緑」に水をためるのにかかった192秒は排水口が開いていた時間です。
(1)
まずは「黄」と「青」に着目しましょう。
この2つの場所は、高さも奥行きも同じ長さなので、水をためるのにかかった時間比と横の長さ比は同じになりますね。よって、
60秒:150秒=2:5
2:5=12cm:30cm
(2)
排水口を閉じたまま水を入れたとき(図2のグラフ)と、途中で排水口を開けたとき(図3のグラフ)で異なるのは「緑」に水を入れている時間だけです。
排水口を閉じたままのときは、「青」「黄」「緑」「赤」に水をためるのに450秒かかりました。「赤」にかかる時間は排水口を開けたときと同じ135秒なので、「青」「黄」「緑」にかかった時間は、
450-135=315秒
です。ここで、「青」「黄」「緑」と「赤」は、高さも奥行きも同じなので、時間比と横の長さ比は同じです。よって、
315秒:135秒=7:3
7:3=(12cm+30cm):18cm
となり、Rの部分の横の長さが18cmと求まります。
これで、水槽の大きさが判明したので、その体積は、
(12cm+30cm+18cm)×40cm×50cm=120000㎤
また、排水口を閉じたままのときに「茶」に水をためるのにかかる時間は、排水口を開けたときと同じ175秒なので、排水口を閉じたままのとき水槽全体に水をためるのにかかった時間は、
450秒+175秒=625秒
よって、蛇口から出る水は、
120000㎤÷625秒=192㎤/秒
(3)
「緑」に着目しましょう。
排水口を閉じたままのときに「緑」に水をためるのにかかった時間は、
450秒ー(150秒+60秒+135秒)=105秒
同じ場所(同じ体積)に水を入れるとき、水をためるのにかかった時間比と、水を入れる量(時間当たりの量=速さ)は反比例するので、
105秒:192秒=35:64
64:35=192㎤/秒:(192㎤/秒ー▢㎤/秒)
▢=87㎤/秒
重要度【★★★★☆☆】
難易度【★★★☆☆☆】
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