中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

洛南高附中2012年(面積比ー★★★★☆☆)

洛南高等学校附属中学 2012年度】

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~概要~

洛南中のお家芸、「正六角形」内の「相似・面積比」の問題です。

難易度としては、洛南の面積比にしては解きやすく、練習問題にも適した良問と言えるでしょう。

 

~解説~  

 (1)

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ILの長さが必要であることはすぐに分かりますね。そこで、ILの絡む相似を見つける(補助線を引いて作る)のが第一歩になります。

正六角形が2つ並んだこの形の中には、たくさんの平行線があるので相似も作りやすいですが、真っ先に浮かぶ補助線はAGでしょう。

これで、△GILと△GAKの相似(ピラミッド型、山型などと呼ばれます)が出来ました。

 AI=IGなので、相似比は、

△GIL:△GAK=1:2

よって、IL:AK=1:2から、

IL=③cm

と求められます。

四角形ILGHの面積は、△GHIと△GILに分割して求めて足し合わせるのが良いでしょう。

△GHI=[正六角形全体]×1/6(⇐これは受験算数としては暗記項目です。)

 △GIL=△GID×IL/ID=△GID×3/10

GID=[正六角形全体]×1/3(⇐これも受験算数としては暗記項目です。)なので、

△GIL=[正六角形全体]×1/3×3/10=[正六角形全体]×1/10

よって、

四角形ILGH=[正六角形全体]×1/6+[正六角形全体]×1/10

      =[正六角形全体]×4/15

4:15

 

(2)

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(1)で使った補助線AGは(2)でも有効です。

 AGとKOの交点をPとすると、△PIMと△PAKの相似、△PIMと△PGOの相似(ちょうちょ型、蝶ネクタイ型などと呼ばれます)が見つかりますね。

まずは、△PIMと△PAKの相似に着目しましょう。

IM:AK=②:⑥=1:3

よって、

△PIM:△PAK=1:3

PI:PA=1:3

となるので、PI=<1>cm、AI=<2>cmとおけますね。

ここで、AI=IGなのでIG=<2>cm。

よって、PG=<1>cmとなります。

 今度は△PIMと△PGOの相似です。

PI:PG=<1>:<1>=1:1なので、

△PIM:△PGO=IM:GO=1:1

よって、GO=②cmと求められます。

GFは正六角形の一辺なのでGF=⑩cm。

OG:GF=②:⑩=1:5

 

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問われているHN:NGが絡む相似を作る補助線としては、OFと平行であるHEがベストでしょう。点PはIGの中点なので、このHEは点Pを通ります。

よって、△HPNと△GONの相似が見つかりますね。

HP=⑤cm(⇐これも暗記項目。)なので、

△HPN:△GON=HP:GO=⑤:②=5:2

よって、

HN:NG=5:2

 

四角形IMNHの面積の求め方も色々考えられますが、思い浮かびやすいのは、

四角形IMNH=△HIG-△NPG+△IMP

という作戦でしょうか。

△HIG=[正六角形全体]×1/6

△NPG=△HPG×NG/HG=△HPG×2/7

△HPG=△HIG×PG/IG=△HIG×1/2=[正六角形全体]×1/6×1/2

    =[正六角形全体]×1/12

よって、

△NPG=[正六角形全体]×1/12×2/7=[正六角形全体]×1/42

△IMP=△IDG×IM/ID×IP/IG=△IDG×2/10×1/2=△IDG×1/10

△IDG=[正六角形全体]×1/3 なので、

△IMP=[正六角形全体]×1/3×1/10=[正六角形全体]×1/30

以上から、

四角形IMNH=[正六角形全体]×1/6-[正六角形全体]×1/42+[正六角形全体]×1/30

       =[正六角形全体]×37/210

37:210

 

※最後の面積比の処理の仕方はやや高度な解法を使っています。しかし、最難関校の面積比を解けるようにしておくためにはぜひマスターしておくべき解法です。

 

(1)

重要度【★★★★☆☆】

難易度【★★★☆☆☆】

(2)

重要度【★★★☆☆☆】

難易度【★★★★☆☆】

 

 

by カエレバ
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