中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

大阪星光中2011年(点の移動ー★★★★☆☆)

大阪星光学院中学 2011年度】

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~解説~

円周上を動く速さの問題では、『角速度』という考え方を使うと解きやすくなります。

通常の速さは、「km/時」(=1時間当たりに何km進む)や「m/秒」の様に、「ある一定の時間にどれだけの距離を進むか」を表します。

一方、角速度は、「°/秒」の様に、「ある一定の時間に中心角が何度分、円周上を動くか」を表します。

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まずは、PとQの角速度を求めてみましょう。

Pは1周するのに20秒かかります。

1周の中心角は、当然360°です。

よって、1秒当たりに進むのは、

360°÷20秒=18°/秒 (時計回りの向きに)

同様に、Qは、

360°÷30秒=12°/秒 (反時計回りの向きに)

 

(1)

5秒間に進む中心角は、

P→18°/秒×5秒=90°

Q→12°/秒×5秒=60°

PとQは進む向きが逆向きなので、5秒後には、

90°+60°=150°

離れています。

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ここからは、平面図形の面積の問題ですね。

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△OPQは、OPを底辺とすると、高さはQからOPに垂直に降ろした線AQの長さですね。

ここで、△AOQは、「30°-60°-90°」の直角三角形なので、

辺AQ:辺OQ=1:2

よって、AQ=3cm

△OPQ=6cm×3cm÷2=9㎠

 

(2)

(1)と同じ様に、OPを底辺としましょう。

すると、底辺の長さは常に6cmですね。

よって、△OPQの面積が最も大きくなるのは高さが最も大きくなるときです。

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Qが円周上を動くとき、高さが最も大きくなるのは、上図のように∠POQ=90°になるときです。

このときの面積は、

6cm×6cm÷2=18㎠

 

(3)

2秒間に進む中心角は、

P→18°/秒×2秒=36°

Q→12°/秒×2秒=24°

PとQは、進む向きが逆向きなので、2秒後には、

36°+24°=60°

離れています。         

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よって、2秒後には上図のように△OPQは正三角形になっています。

(1)と同じように、OPを底辺としましょう。

すると、底辺の長さは常に6cmなので、△OPQの面積が同じになるときは高さも同じになるときですね。

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2秒後の△OPQ(青色)と高さが同じになるのは、左右の対称性や上下の対称性を考えると上図のQ1~Q3に来たときと分かります。

それぞれの位置まで来るのにかかる時間は、

Q1:120°÷(18°/秒+12°/秒)=4秒

Q2:240°÷(18°/秒+12°/秒)=8秒

Q3:300°÷(18°/秒+12°/秒)=10秒

20秒間進むので、2周目以降も考えなければならないことに注意しましょう。

2周目のQ:(360°+60°)÷(18°/秒+12°/秒)=14秒

2周目のQ1:(360°+120°)÷(18°/秒+12°/秒)=16秒

2周目のQ2:(360°+240°)÷(18°/秒+12°/秒)=20秒

ここまでですね。

よって、4秒、8秒、10秒、14秒、16秒、20秒

 

 

重要度【★★★★☆☆】

難易度【★★★★☆☆】

 

 

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