東大寺中2020年(計算ー★★★☆☆☆)
【東大寺学園中学 2020年度】
~概要~
本年の東大寺の算数は、受験者平均点が51.9点/100点満点と、全体的には例年通りの難易度でした。
ただ、簡単な問題や難しすぎる問題が少なかったので、算数でかなり差が付く結果となりました。
このことは、受験者全体と合格者全体の平均点の差(17.6点)や、3科受験者と4科受験者の平均点の差(16.5点)がここ10年で最大だったことにも表れています。
本問は、ただの計算問題でありながら、正答率が5割強(ちなみに、3科受験生の正答率は7割強、4科受験生の正答率は4割強と、ここでも差が付いています)しかありませんでした。
計算問題が合否を分けたという、珍しいケースです。
~解説~
正攻法で求めるとなると、1717と1919と909を通分することになりますね。
1717と1919と909の最小公倍数 293607を求めるだけでも一苦労で、その後の処理のことを考えるとかなり大変そうですね。
そこで、何らかの工夫ができないかを考えてみましょう。
1717,1919,909,2121,1010はいずれも特徴的な数字ですね。
これらは全て、101の倍数になっています。
そこで、問題の式を変形してみましょう。
▢の分数に関しては、101を生み出すために、強引に逆約分をしています。
分母と分子を同じ数で割っても分数の大きさは変わらない(=約分)、ということは、分母と分子に同じ数をかけても分数の大きさは変わらないということですからね。
さて、これで結合法則を使えます。
結合法則とは、
A×B+A×C=A×(B+C)
と変形できるという法則で、受験算数では基本事項ですね。
長々と式を書いてきましたが、ここまででやったことは、式全体から「101」 を取り除く、ということだけです。(中学校の数学で最初に習う、等式の性質を習得すれば1行で済みます。)
あとは、基本通りに通分して求めても十分解けるでしょう。
少しでも楽をするなら、ここで分配法則を使いましょう。
分配法則は受験算数ではあまり使いませんが、結合法則の逆パターンで、
A×(B+C)=A×B+A×C
と変形できるという法則です。
よって、▢=1919
重要度【★★★☆☆☆】
難易度【★★★☆☆☆】
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