東大寺中2015年(水問題ー★★★★★☆)
【東大寺学園中学 2015年度】
~解説~
容器を傾けたときの様子は上図の通りです。
ポイントは、「水面は必ず地面と平行になる」ということです。
ここまでは中学受験算数では基本ですが、本問では、仕切りの辺PSが斜めになっているところがやっかいですね。
(1)
容器内を、仕切りの左側と右側で別々に考えてみましょう。
容器を傾けたとき、仕切りの左側は下図の様になっています。
仕切りの左側では、水は辺AEから流れ出るので、仕切りの影響は受けませんね。
∠XAU=45° なので、△XAUは直角二等辺三角形です。
よって、XU=AU=5cm
同様に、YT=ET=5cm
仕切りの左側から流れ出た水の体積は、
5cm×5cm÷2×12cm=150㎤
仕切りの右側は下図の様になっています。
仕切りの右側では、水は辺PSから流れ出ます。
しかし、水は最も低いところに向かうので、最終的には水は点Pから流れ出ることになります。
よって、水の流出が終わったときの水面は、上図の様にPQ=XR=16cmのところにきます。
この辺りは、立体のイメージ力に加えて理科的なセンスが必要になってくるのでかなりの難易度になっていますね。
この状態を描ければ、あとは簡単でしょう。
PU=20cm-16cm=4cm
XT=PU=4cm
∠PYD=∠XZH=45° なので、
YD=ZH=4cm+5cm=9cm
よって、仕切りの右側から流れ出た水の体積は、
(4cm+9cm)×5cm÷2×12cm=390㎤
以上から、150㎤+390㎤=540㎤
(2)
容器の傾きを元に戻した状態は、真正面から見た図で十分考えることができます。
容器の左側からは150㎤の水が流れ出ました。
容器を元に戻した状態では、流れ出た水の部分(=空気の部分)は直方体になり、その高さは、
150㎤÷(5cm×12cm)=2.5cm
です。
しかし、容器の左側からは、点Pを通って容器の右側に水が流れ込みます。
容器の左側から右側に水が流れ込んだ後の、容器の左側の空気の部分の体積は、
5cm×12cm×4cm=240㎤
よって、容器の左側から右側に流れ込んだ水の体積は、
240㎤ー150㎤=90㎤
容器の右側では、容器を傾けたときに390㎤の水が流れ出ましたが、容器を元に戻したときに90㎤の水が流れ込んだので、
390㎤ー90㎤=300㎤
の水が減ったことになります。
よって、容器の右側の空気の部分の体積は300㎤なので、その高さは、
300㎤÷(5cm×12cm)=5cm
よって、容器の右側の水面の高さは、
20cm-5cm=15cm
重要度【★★☆☆☆☆】
難易度【★★★★★☆】
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