中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

洛南高附中2017年(回転体ー★★★★★☆)

洛南高等学校附属中学 2017年度】

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~解説~

まずは図1を回転させてできる立体を考えましょう。

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上の右の図の様な、円すいを2つくっつけた立体ができますね。

この円すい1つの側面積を[1]㎠、体積を①㎤としましょう。

このとき、上右図の立体の体積Vは、

V=②㎤

となります。

また、上右図の立体の表面積Sは、円すいを2つくっつけたことで円すいの底面が表面ではなくなるので、

 S=[2]㎠

となります。

 

(1)

いちいち立体図を描いて考える必要はありません。

平面図のまま処理する解法を習得しておきましょう。

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△ABPを回転させると出来るのが円すいで、その側面積は辺ABが回転して作ったものです。

その面積が[1]㎠なので、平面図上では、辺AB=[1]㎠と表しておきましょう。

同様に、辺BQも同じ大きさの円すいの側面積を作るので、辺BQ=[1]㎠と表せます。

          f:id:juken_sansu:20200505032142p:plain

次に、△ACQの回転体について考えます。

△ACQを回転させても円すいが出来、その側面積は辺ACが作ったものです。

この円すいは、△ABPを回転させて作った円すいの2倍の大きさです。

よって、その側面積は、相似比の2乗になるので4倍の[4]㎠です。

平面図上では、辺AC=[4]㎠と表せます。

ここで、辺AB=[1]㎠なので、辺BC=[3]㎠となります。

同様に、辺CD=[3]㎠と表せます。

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△AERの回転体も同様に考えます。

この円すいは、△ABPを回転させて作った円すいの3倍の大きさなので、側面積はその9倍の[9]㎠です。

よって、辺AE=[9]㎠となり、辺AC=[4]㎠なので、辺CE=[5]㎠と表せます。

 

以降も同様に考えましょう。

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EF=[7]㎠、FG=[9]㎠となるので、以上をまとめると、上図が完成します。

奇数列が現れているのがポイントですね。

 

では、問題を解いていきましょう。

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上図の様に、図2の回転体の表面積は、

[1]㎠+[1]㎠+[3]㎠+[3]㎠=[8]㎠

[8]㎠÷[2]㎠=4倍

 

(2)

体積についても、同じ様に考えてみましょう。

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△ABPを回転させると出来るのが円すいで、その体積が①㎤なので、平面図上では△ABP=①㎤と表しておきましょう。

同様に、△QBPも同じ大きさの円すいを作るので、△QBP=①㎤と表せます。

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次に、△ACQの回転体について考えます。

この円すいは、△ABPを回転させて作った円すいの2倍の大きさです。

よって、その体積は相似比の3乗になるので8倍の⑧㎤です。

平面図上では△ACQ=⑧㎤と表せ、△ABP=QBP=①㎤なので、

△BCQ=⑥㎤となります。

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△AERの回転体も同様に考えます。

この円すいは、△ABPを回転させて作った円すいの3倍の大きさなので、体積はその27倍の㉗㎤です。

よって、△CED=㉗㎤ー①㎤×3-⑥㎤×2=⑫㎤と表せます。

 

以降も同様に考えて、まとめると下図の様になります。

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では、問題を解いていきましょう。

図3の回転体の体積は、⑫㎤+⑫㎤=㉔㎤なので、

㉔㎤÷②㎤=12倍

 

(3)

すでに準備は完了しているので、計算するだけです。

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図4の回転体の表面積は、

[1]㎠×2+[3]㎠×4+[5]㎠×2+[7]㎠×2+[9]㎠×2=[56]㎠

回転軸の逆側にもある分は、無視できることに注意しましょう。

よって、

[56]㎠÷[2]㎠=28倍

 

体積は、

(①㎤×2+⑥㎤×2+⑫㎤×2+⑱㎤×2+㉔㎤×2)÷②㎤=61倍

 

(4)

これはパズル問題です。

色々と試してみて、上手く条件を満たすような塗り方を見つけるしかありません。

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(1)

重要度【★★★★☆☆】

難易度【★★★☆☆☆】

(2)

重要度【★★★☆☆☆】

難易度【★★★★☆☆】

(3)

重要度【★★★☆☆☆】

難易度【★★★★☆☆】

(4)

重要度【★☆☆☆☆☆】

難易度【★★★★★☆】

 

 

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