中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

四天王寺中2017年(立体図形ー★★★☆☆☆)

四天王寺中学 2017年度】

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~概要~

2017年の四天王寺中の算数は過去最高の難易度でした。とはいえ、事前に学校側から難化を予告されていたので、それを知っていた子は動揺はしなかったでしょう。

本問は、そう難しいわけではありませんが、合わせにくい問題でもあり、正答率は10%とかなり低くなっています。

 

~解説~

問われているのは「5面の和」なので、まずはそこに引っかからない様に気を付けないといけません。

また、普通、直方体の体積などを求めるときは、どこが「たて」でどこが「横」でどこが「高さ」かは意識する必要はありませんね。

しかし、本問では見えている5面のみを考えないといけないので、これらの名称もきちんと押さえておかないといけません。

こういった、細かい点が原因で、実際の問題の難しさ以上に正答率が低くなってしまったのでしょう。

 

さて、数の和を小さくするには全ての面を1にしてしまえば手っ取り早いですが、そう簡単にはいきませんね。

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例えば、上図の立方体Cは、1面しか見えていません。

よって、この立方体は見えている面の数の和を小さくするために、1が見える様に置けるということです。

しかし、上図の立方体Aは、3面が見えています。

この3面を全て1にするわけにはいきません。

問題の条件から、どんな向きに置いても1と2と3が1つずつ見えることになります。

 

つまり、見えている立方体をパターンごとに分類して、その個数を求めれば良いということですね。

 

・3面が見えている立方体

上図の立方体Aのパターンです。

図から分かるように、作った直方体の角にきている立方体がこれにあたります。

ただし、見えている5面しか考えない(⇒底面は考えない)ので、立方体Eは2面しか見えていないことに注意しましょう。

よって、このパターンの立方体は、上面の角の4個だけですね。

見えている数は、1と2と3になるので、全部の和は、

(1+2+3)×4個=24

 

・2面が見えている立方体

上図の立方体Bのパターンと、立方体Eのパターンです。

上で考えた様に、立方体Eのパターンは、底面の角の4個です。

立方体Bのパターンは、作った直方体の辺にきているものです。その個数は、

(6-2)×2+(7-2)×2+(5-2)×4=30個

よって、全部で、

4個+30個=34個

見えている数が、1と2になるように置けば良いので、全部の和は

(1+2)×34個=102

 

・1面が見えている立方体

上図の立方体Cのパターンと、立方体Dのパターンです。

立方体Cのパターンは、作った直方体の各面の真ん中にきているものです。その個数は、

(7-2)×(6-2)+(5-2)×(6-2)×2+(5-2)×(7-2)×2=74個

立方体Dのパターンは、底面の辺にきているものです。その個数は、

(6-2)×2+(7-2)×2=18個

よって、全部で、

74個+18個=92個

見えている数が1になるように置けばよいので、全部の和は、

1×92個=92

 

以上から、

24+102+92=218

 

 

重要度【★★★★★☆】

難易度【★★★☆☆☆】

 

 

by カエレバ
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