中学受験算数の良問・難問・基本問題

プロ家庭教師が中学入試の算数の問題とその解法を紹介していきます。

灘中2019年(整数問題ー★★★★☆☆)

【灘中学 2019年度 2日目】

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~概要~ 

2019年の灘中の算数は史上最高レベルの難しさでした。

ただ、1日目のひどさに比べると、2日目は例年より少し難しい程度です。

合格に必要な50点(100点満点中)を取るためには、本問は合わせておきたいところです。完答できないにしても、しっかりと式や考え方を書いて部分点は稼いでおかないといけませんね。

 

~解説~

A=[☆0▢△] (千の位が☆・百の位が0・・・)とすると、

B=[☆0△▢] となり、このときAもBも7の倍数であるということですね。

 

ポイントは、「AとBが両方とも7の倍数であるなら、AとBの差も7の倍数になる」ということです。

つまり、AがBより大きい数だとすると、

A-B=[☆0▢△]ー[☆0△▢]=[▢△]ー[△▢]が7の倍数になります。

 

 ここで、〔▢△]は十の位が▢で一の位が△の2桁の数字なので、

[▢△]=10×▢+1×△ と表すことができます。同様に、

[△▢]=10×△+1×▢ と表せます。

 

よって、

[▢△]ー[△▢]=(10×▢+1×△)-(10×△+1×▢)

         =10×▢ー1×▢+1×△ー10×△

         =9×▢ー9×△

         =9×(▢ー△)

となります。(※本問ではヒントとして提示されていますが、灘中志望生なら知識として知っておかないといけない内容です。)

 

それでは実際に見つけていきましょう。

・AがBより大きいとき

A-B=[▢△]ー[△▢]=9×(▢ー△) が7の倍数になるのは、

▢ー△=7

のときだけですね。具体的には、

(▢、△)=(7、0)(8、1)(9、2)

の3通りです。よって、Aとして考えられるのは、

[☆070][☆081][☆092]

の3通りです。

ここまでくれば、灘中を目指す子の計算力をもってすれば、気合いで調べても数分で全て見つけられるはずです。

[7070][4081][1092][8092]

の4個ですね。

 

参考までに、3つ目のヒントをどう使うのかも解説しておきましょう。

1000=7×143-1

が意味するのは、1000は7の倍数に1足りない、ということです。

例えば35は7の倍数ですが、35に1000を加えた1035は7の倍数に1足りない(7で割ると余りが6)ことになります。

[☆081]ならば、

81÷7=11・・・4

となり、7の倍数に4余っているので、7の倍数に1足りない1000を4回足せば7の倍数になるはずですね。

同様に、[☆092]ならば、

92÷7=13・・・1

となり、1000を1回足した1092と1092にさらに1000を7回足した8092が7の倍数ということです。

 

本問に戻りましょう。

・BがAより大きいとき

AとBが入れ替わるだけなので、

[7007][4018][1029][8029]

の4個ですね。

 

ここで終わってはいけないことに注意しましょう。問題文でも最後に指摘してくれていますが、

・AとBが同じ大きさのとき

というパターンもあります。具体的には、

(▢、△)=(0、0)(1、1)(2、2)(3、3)(4、4)(5、5)(6、6)(7、7)(8、8)(9、9)

の10通りで、Aとして考えられるのは、

[☆000][☆011][☆022][☆033][☆044][☆055][☆066][☆077][☆088][☆099]

の10通りです。

それぞれの☆を求めていくと、

[7000][4011][1022][8022][5033][2044][9044][6055][3066][7077][4088][1099][8099]

の13個です。

 

以上から、

4+4+13=21個

 

 

重要度【★★☆☆☆☆】

難易度【★★★★☆☆】

 

 

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